レポートが滞っているあいだに、秋の気配がめっきり色濃く………たいへん遅ればせながら講座レポートです。
また熱いラブコールをいただき新たな講座を来月10月18日(火)19:00-21:00に開催することが決定しました!テーマは「美容とオイル」◯こちらについても文末でご紹介させてください。
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7月/8月と日本メディカルアロマテラピー協会認定講師/
*きれい色のワンピースがよくお似合いの地曳直子先生*
<前回からの復習でもう一度…>
油(オイル)は
・食用になる植物・魚・動物の油脂
・植物由来の精油(エッセンシャルオイル)
・鉱物由来の油(灯油、石油等)
…などに大きく分類されます。
この度の講座では第一回目に油(食用のオイル)、そして第二回に精油(エッセンシャルオイル)について学ぶ内容を企画させていただきました。
開催概要で紹介させていただいた地曳先生からのお言葉のご紹介ももう一度…
<油と精油がなぜ関係するのか? >
植物はその生体内で生きていくために様々な有機化合物を作りだします。 大きくは、一次代謝産物と二次代謝産物に分けることができます。一次代謝産物は多くの生物が共通して作りだす生きるために必須な成分、例えば、タンパク質、炭水化物、脂質などで、私たちはそれを「栄養」と呼びます。
二次代謝産物は生きるために必ず必要ではないけれど、よりよく生きるために植物が作り出す成分で、これにより外敵から身を守ったり受粉を促して子孫を残したりします。面白いことに、この2つの代謝産物は、私たち人間の体の中でも同じように働きます。
植物たちは、生まれ育つために必要な一次代謝産物を種に蓄えます。特に脂質を沢山蓄えます。その植物の命である種を搾った植物油は栄養価の高いスーパーフード。私たちの栄養となり、体をつくります。
一方、植物が生きていく過程で身を守るために作り出した芳香成分を抽出したのが精油であり、精油は私たちがより良く生きるための助けとなります。植物油と精油、それぞれの特徴や役割を知ることで、植物の生きる力を享受できるようになります。
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◯オイルは植物の種を搾ったもので、種は植物にとっては「命」そのもの。
◯我々は「生きるため」に、そして「よりよく生きるため」に、その恩恵をいただいている。
今回も「精油をつかうこと=植物の特徴をよく知り、その恵みを享受すること」という愛情を根底に感じる講座でした*
*講座の様子*普段からアロマを生活に取り入れていらっしゃる方、専門的に勉強をはじめた方、そしてプロのセラピストの方と幅広い分野でご活躍の方々にご参加いただきました。感謝!
第二回目のテーマは <精油(メディカルアロマテラピー)を知る>
(過去blog「季節のおすすめ精油〜基本のおはなし2〜」にも書かせていただきましたが…)「(一般的な)アロマテラピー」と「メディカルアロマテラピー」では、目的も、使い方も大きく異なります。
◯一般的な「アロマテラピー」とは?
「イギリス式アロマテラピー」と言われれるもので、ディフューザーで香りを楽しんだり、植物油などで「薄めて」マッサージをしたり…香り(嗅覚)を通じてのリラグゼーションを促すことが主な目的となります。
使う際の精油濃度は0.5~2%。
「メディカル(医療に関係する)」と謳われているように、リラグゼーションの枠を超えた「治療」という目的が含まれており、精油の化学成分に着目し、植物の持つ有効成分を体内に取り込む使用方法が主。たとえば薬のように精油を高濃度(原液)のまま塗布したり、飲んだりすることも…(フランスで発展したことから「フランス式メディカルアロマテラピー」と言われたりもします)
使う際の精油濃度は10~50%(時に100%)…!
一目瞭然、使用する「濃度」が違いますよね。
植物は過酷な自然環境で身を守るために、そして種を残すために、他の存在にとっては「毒」にもなる強い成分を蓄えているものもあります。精油として使う場合も皮膚への刺激が強すぎたり、毒性が高くなってしまったり…
精油の積極的な効果を求める場合は、よりその成分や使い方、使用量や頻度にも注意を払うことが大切になります。
メディカルアロマテラピーを実践する上で特に気をつけたいことをまとめると…
参照ページ:「効果的なアロマテラピーのためのケモタイプ精油とは?」(プラナロム社)
*成分分析表=写真:おみくじのような紙にびっしり分析情報が!
◯成分分析表の見方を知ること!
精油成分を化学的に分類すると…アルコール類・炭化水素類など「芳香成分」で構成され、さらに「芳香分子」に分けられます。それらの特徴や含有率を知ることでその精油の主な作用を知ることができます。
たとえばラベンダー精油(lavandula angustifolia)の場合…芳香成分:エステル類が全体の42%。そのうちの40%が芳香分子:酢酸リナリルで構成されていて、酢酸リナリルには交感神経を鎮めるはたらきがある…といった感じ。
「興奮して眠れないときにはラベンダーの精油」というなんとなくのイメージで選ぶのではなく「交感神経を鎮める作用のある酢酸リナリルが高い値で含まれているから選ぶ」といった感じで……(ちょっとマニアックになってきたのでこのへんで…)
講座では実際に香りを確認し、成分分析表を見ながら、夏におすすめの精油として「バジル」「レモン」「パルマローザ」「ユーカリ・レモン」「ペパーミント」「ラベンダー」を掘り下げていきました。
また精油の化学的なはたらきを知るため、芳香成分と作用、そしてそれら含む代表的な精油を詳しく学んでいきました。
そして最後は季節に合わせたアロマクラフトのレシピやブレンドの例を数多くご紹介いただきました。虫除けスプレー、肩こり腰痛ジェル、アフターUVウォーターなどなど…(ここが一番気になるところですよね!!)以下レシピをひとつ紹介させていただいます*
【夜用美容オイル】
◯植物油(ベースオイル)ホホバ、玄米オイル…20ml *単品でも混合でも
◯精油…レモン 3滴
…ラベンダー・アングスティフォリア 3滴…カモマイル・ジャーマン 2滴
…ローズウッド 2滴
精油の化学的な成分分析で収れん作用、抗炎症作用、瘢痕形成作用、皮膚組織再生作用…が読み取れます。香りも爽やか!
こちらは「経口(=口から取り入れる)」の使用方法として紹介いただいた「夏バテ防止はちみつ」。興味津々でテイスティングがおこなわれました。
*「夏バテ防止はちみつ」はちみつにレモン、ペパーミントなのど精油をブレンドしたもの*
先の参考記事*にもありましたが、「食べてもいい精油」や「原液でつけても大丈夫な精油」として特別なものがある…ということではなく、ほんとうに食べてもいいのか?原液で使用しても大丈夫なのか?は全て個人の知識と意識と経験に任せられていること。成分分析に基づいて品質のよい精油を選び、精油の持つ効能もリスクも知った上で、自分の体質体調に合わせて使えることが大切なことと言えます。
逆に言えば…正しい知識があれば、妙に臆病にもなりすぎず(これもまた大切です!)、効果的に幅広く精油を使うことができるのです◯
風邪のひき始め、二日酔い、胃もたれ、虫刺され、虫除け、肩のこり…などなど予防や不調の改善に、地曳先生は生活の中で軽やかに精油を使いこなしていらっしゃいますが、それも全て「知識」があるからこそ!
もっと地曳先生のお話を聞きたい!先生愛用の手作りコスメを使ってみたい!(ほんとうに素晴らしい美肌なのです…*)という熱いお声をいただき、来月新たな講座を企画させていただきました。
次回のテーマはズバリ「美容とオイル」!!
食べるオイル、塗るオイル、内と外から「効かせる」オイルの使い方について美容の観点から学びつつ、実際にオイルを活用した美容液、美容オイル、クレンジングオイルなどの作成もおこなって参ります。
<詳細は近日告知させていただきます>
場所:Healing Salon SOMI
参加費:6,000円(税込)
定員:9名
お申込み:メール info@so-mi.jp 宛で「お名前/当時連絡可能なお電話番号」をお知らせください。