先月より日本メディカルアロマテラピー協会認定講師/
*いつもイキイキすてきな地曳直子先生*
油(オイル)は
・食用になる植物・魚・動物の油脂
・植物由来の精油(エッセンシャルオイル)
・鉱物由来の油(灯油、石油等)
…などに大きく分類されます。
今回の講座では第一回目に油(食用のオイル)、そして第二回に精油(エッセンシャルオイル)について学ぶ内容を企画させていただきました。
まず開催概要で紹介させていただいた地曳先生からのお言葉のご紹介から…
<油と精油がなぜ関係するのか? >
植物はその生体内で生きていくために様々な有機化合物を作りだします。 大きくは、一次代謝産物と二次代謝産物に分けることができます。一次代謝産物は多くの生物が共通して作りだす生きるために必須な成分、例えば、タンパク質、炭水化物、脂質などで、私たちはそれを「栄養」と呼びます。
二次代謝産物は生きるために必ず必要ではないけれど、よりよく生きるために植物が作り出す成分で、これにより外敵から身を守ったり受粉を促して子孫を残したりします。
面白いことに、この2つの代謝産物は、私たち人間の体の中でも同じように働きます。
植物たちは、生まれ育つために必要な一次代謝産物を種に蓄えます。特に脂質を沢山蓄えます。その植物の命である種を搾った植物油は栄養価の高いスーパーフード。私たちの栄養となり、体をつくります。
一方、植物が生きていく過程で身を守るために作り出した芳香成分を抽出したのが精油であり、精油は私たちがより良く生きるための助けとなります。
植物油と精油、それぞれの特徴や役割を知ることで、植物の生きる力を享受できるようになります。
*
◯オイルは植物の種を搾ったもので、種は植物にとっては命そのもの。
◯我々は「生きるため」に、そして「よりよく生きるため」に、その恩恵をいただいている。
「植物の賢さや健気さ」を感じ、愛おしさと感謝を根底に持ちつつ、講座を進めてくださる地曳先生のお話は、全編を通じてとても愛情に満ちたものでした*
…ということで。前置きが長くなりましたが講座の様子です!
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第一回目のテーマは<油(オイル)を知る>
オイルの美容&健康効果については近年よく知られるようになり、昔のように「太るから油は摂らない」…という概念は廃れ、積極的にオイルを生活に取り入れる方がとてもふえましたね。
(ココナッツオイルや亜麻仁油がスーパーでも手に入る時代に!)
◯人の体は約60兆個の細胞でできていて、そのひとつひとつがオイルコーティングで守られいてる(=細胞膜はオイルでできている)
◯脳の65%は油でできているので、摂取するオイルの影響をダイレクトに受ける
◯アレルギー、うつ病、がん、認知症、血圧、ホルモンバランスなどと深い関わりがある
…といった油の重要性や健康や美容との深い関わりが徐々に解明され、注目は高まる一方!
講座ではまず油の基礎知識を学び、おすすめオイルのテイスティングをおこないました。
はじめに…脂質についての基本知識として、油脂に含まれる脂肪酸(油脂を構成する基本的な分子)とその種類(飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸)、そしてそれぞれの働きを知ることからスタート。
この説明は長くなるので…ざっくりポイントをまとめると
◯オイルを構成している脂肪酸はさまざまな種類があり、それぞれ体内での働きが異なる。
◯その特徴をふまえて、自分に合うオイル=「積極的に摂るべきオイル/摂りすぎ注意のオイル」を知る。
〜オメガ3系オイルはとくに積極的にとりたい!
(自分のからだのなかでつくりだすことができない/酸化しやすいが 体内でよいはらたきをする)
*オメガ3を含む食品:青魚、チアシード、亜麻仁油、えごま油、サチャインチオイル、カメリナオイル など
…といった感じ。
*このあたりからじっくり知りたい!という方は…地曳先生も寄稿されているこちらの書籍や【クロワッサン特別編集 オイル美容バイブル:食べて健康 つけて美肌 (マガジンハウスムック)】
(重要なポイントがとってもわかりやすくまとまっていておすすめのです!)
こちらのサイトなどが参考になるかと…「オイルと脂肪酸の種類」
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講座で実際に盛り上がったのは…やはり「選び方」「摂り方のポイント」そして実際に味わってみる「テイスティング」
一部紹介させていただくと…
【油選びのポイント】
◯トランス脂肪酸を多く含むものは避ける
〜マーガリン、ショートニング、サラダ油など(加工品、外食に多く含まれがち)
◯オメガ6系(ごま油、大豆油、コーン油、紅花油など)よりオメガ3系(亜麻仁油、えごま油、サチャインチオイル)を含むオイルを選ぶ
〜オメガ6系に含まれる「リノール酸」は動脈硬化やアトピー、花粉症などと関わりがあると言われている
〜オメガ6系とオメガ3系オイルは相反する作用がある
(たとえば炎症促進/炎症抑制、動脈硬化/血液サラサラなど…)
参考サイト:「理想的な油(脂質)の摂り方~オメガ3とオメガ6~」
◯酸化リスクの低いものを選ぶ(形状、流通など)
〜オイルは熱、光、酸素に弱い!
「小さいサイズの遮光瓶」に入っているものがベスト
*ココナッツオイルは透明ビンでも大丈夫
◯製造方法まで確認する
〜溶剤抽出方法ではなく、冷温圧縮(コールドプレス)のものを選ぶ
(裏面ラベルをチェック!)
*溶剤抽出についても詳しく教えていただきましたが…製造工程で栄養が損なわれるばかりか、高温加熱や溶剤の影響で身体に負担がかかる「毒」になることもあるという…ゾゾッ。
◯信頼できるメーカー/販売店を選ぶ
〜製造、流通、販売の段階で変質してしまったり、そもそも「基準/認定」が曖昧な部分が多々ある
(「エクストラバージンオリーブオイル」の基準が日本はゆるい…といった話を聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。)
*地曳先生のサイトでも購入可能です! *こちら
そのほか、「利益優先」「利権がらみ」の実態…といったリアルなお話も。。なんでもそうですが、選ぶ我々「消費者」が賢くなる必要が!
…確かに、少し考えてみれば 植物の命=「種」を一粒一粒ちゃんと絞って油を取り出す…となると、相当な労力!ある程度の「価格」で販売されるのも納得です。(=逆に安すぎるオイルは、溶剤などをつかって、大量生産されていて、栄養素が残らないばかりか(以下恐ろしいので 略)…ということ。想像に難くないですね。)
【油の摂り方のポイント】
◯全体量を減らす
〜基本的に「摂りすぎている」!(「よい油」であってもスプーンで飲んだり…は基本おすすめしない)
〜「加える」のではなく「置き換える」イメージで
◯調理法を工夫する
〜加熱しすぎると油は熱で変質する(とくにオメガ3系は注意)
「煮る、蒸す、茹でる」を基本に!
フライパンで煙が出るほど加熱する…といった調理法は見直しましょう!とのことでした。
(オメガ6系オイルは加熱することでトランス化し、ヒドロキシロネラールという害のある物質に変わってしまったり、炭水化物の加熱は場合により発がん性物質が発生することもわかっているそう…)
そしてこちらテイスティングしたオイルたち*
(左から米油/オリーブオイル/オリーブオイル/マカデミアナッツオイル/亜麻仁油/アルガンオイル/カメリナオイル)
おなじみのオリーブオイルも「ほんもの」はこんなに青々しいなんて!といった感想も。そして同じオリーブオイルでも個性がそれぞれ。またオイルそのものの味がスモーキーだったり、苦味があったりと豊かで、スパイスや調味料として使うイメージがぐんと広がりました!
参加してくださったセラピストの先輩たちと地曳先生を囲んで…*
そして…参加者のAlmana Japonic Beauty ゆかさんがいち早く書いてくださったレポート*もぜひご参照ください!
(とってもとっても丁寧に書いてくださいました。素晴らしい〜感謝!)
さぁ!今夜は第二回の「精油」についての学びに入ります。
ふたつのオイルを知ることで、またあたらしく見えてくる世界もあるのかなぁ…とわくわくしております!またレポートさせていただきますね*
こ参加くださいました皆様、地曳先生、ありがとうございました!!