未来?医療?研究会!(1)
未来?医療?研究会!(2)
先日参加させて頂いた「未来医療研究会」と題された「未来の医療をあらゆる角度から研究する」勉強会について。引き続き…(時間が経っておりますが、まだ学びの感動冷めず…長くなっていますが、失礼させてください。)
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「コーマワーク(Coma Work)」について。
心理カウンセラーでコーマワーカーの黒木 麗子さんによる講義&デモンストレーションを拝見し、実践をさせて頂きましたが…これが本当に深い深い感動に包まれる時間でした。
◉コーマワークとは?
行徳総合病院で2012年より実際に行われている「昏睡状態の患者さんと同調して行くことで、言語を介さずコミュニケーションを取る」という技術。
更に詳しく説明させて頂くと… (以下)行徳コーマワークプロジェクトHPより
プロセスワーク(プロセス指向心理学)の一分野で、コーマ(Coma:昏睡状態)にある方の支援のワーク、あるいはコーマの方とのコミュニケーションの方法のことです。
コーマワークは従来のカテゴリーで言う医学的な治療やリハビリではなく、心理学的な支援です。 遷延性意識障害など昏睡状態にある方に対して、ごく微細なフィードバックに対する丁寧な「注意」「気づき」を向けることによって、通常はきわめて困難とされている昏睡状態の人とのコミュニケーションの回路が開けることがあります。
また極端な場合、かかわりを通して昏睡から覚醒する、意識障害が回復するといった場合もあります。
コーマワークは覚醒など特定の状態を指向するのではなく、患者さんご本人のプロセスに寄り添うこと=プロセスを指向することで、自然に起こるべきことが起こるのをサポートします。力ずくでもなく、「愛情があれば」などという単なる精神論でもない実践的な方法です。
…ということで。この紹介文だけでも泣けてくる…なんとも深い愛の行為。
勉強会ではコーマワーカー黒木さんのご指導のもと、実際に二人一組になり「昏睡状態を想像して演じてみる」「そのひとに語りかけてみる」という体験をさせて頂きました。
◉「コーマ状態の方に語りかける」ワークを体験
自己紹介をし、呼吸をあわせ、「〜させてもらいますね。」とお声がけしつつ、ゆっくりと肩や手に触れさせていただく。とにかく相手を思いやり、微細な動きに注意を払い、何がそこで起こっているのか?大切にみていく。(催眠ではないので、こちらの意志を押し付けない!)
<個人的に感じたこと> とにかく触れた手が温かく、確かな反応がなくても、そのひとそのままの存在がとても愛おしく感じられました。はじめての経験でしたが「心地よいと感じてもらえることは何か?」集中してその場の空気を感じ、しっかり考えることで「なにを言えばよいかわからない」と困ることはなく…掛けたい言葉が自然に思い浮かび、または言葉はなくとも…触れた手に思いが宿る感じを体験することが出来ました。
◉「コーマ状態になったつもり」でワークを体験
目を閉じ、とにかく感覚をふわりとさせてみる。
<個人的に感じたこと> 呼吸を合わせてもらっていることで、同じ時間の中にいてくれると感じられ安心しました。何かしてほしいという「要求」が生まれることはなく、ただ側にいてくれることがとてもとてもありがたく、心地よく感じました。そして、触れられることで「肉体」の存在を気づかせてもらう感じがあり、自分の存在を思い出せる様な…輪郭がはっきりするような感覚がありました。
ワークが終わったあとは、あちらこちらで涙がこぼれる方が…(わたくしも…)
とにかく「寄り添う」。自然にまかせる。という、とても誠実で調和的なコミュニケーションに触れて、「そこにある(いられる)ことを純粋に全身全霊でよろこぶ」というか…自分も他者も、存在そのものが美しく尊く感じられ。「コーマワーク」に限らず、日常的にこんな気持を忘れず、人(や自分)との関わりが持てたら、なんて素敵なのだろう…と思いました。
(わたくしの場合。日々トリートメントを担当させていただく際。お客様に対して同じ様に尊い気持ちを感じることがありますが…もっと意識的に、深いところで「存在そのものをよろこびあう」ことが出来たら素敵だなぁと。新たな課題をいただきました。)
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実際に活用…となると、主観だけではなく、医療の情報をもって行うことが必要かと思いますが、このようにあたたかく思いやりに満ちた「コーマワーク」という技術が、すでに医療の現場で生かされていることを知り、本当に素晴らしいと思いました。
と同時に。「病院の協力のもと導入されているのは行徳総合病院が唯一」ということで…もっと様々な場所でコーマワークを学び、体験できる機会が増えるとよいなぁ…と心から思いました。
…ということで。ご興味抱かれたかたは、ぜひ行徳総合病院コーマワークプロジェクトのホームページもご覧下さい☆